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《ネタバレ》 物の見事にくそったれキャラばかりの大人の登場人物たち(特に男性)、対照的に主人公の娘や高校生たちの未成年キャラはみな純真無垢、韓国映画らしいまことに判りやすいキャラ分けです。釜山行きの特急電車内でゾンビがどんどん繁殖してゆくというプロット自体も目新しさはないけど、それを引っ張るストーリーテリング力は多少強引なところはありますが飽きさせないパワーがあります。もし日本の新幹線を舞台にするとしたら、車掌をはじめとする何人もいる乗務員があれほど無能で役に立たないというのはかえって不自然に感じるかもしれないけど、韓国では結構リアルな描写になるんでしょうね。列車がトンネルに入るとゾンビの活動が不活発になるというのは良いアイデアだと思いますが(まあそうでもしないと乗客は全滅しちゃいますけど)、こいつらは夜になったら全然活動できないので脅威じゃないってことなんです。あと凄いのは驚異の走力、歴代ゾンビの中でもトップクラスです。だから、ディーゼル機関車に向かって主人公たちが必死に走るシーンでゾンビの群れが追い付けないというのは、いくら何でもご都合主義が過ぎます(生存者の中に妊婦までいるのにね)。ゾンビの大群描写あたりはあの映画のパクリみたいなところですが、この映画独自(たぶん)の印象的なシーンもあります。それは狭い空間に詰め込まれたゾンビたちが限界に達すると窓を突き破ってあふれ出す映像で、とくに傾いた車両から窓ガラスが割れて零れ落ちてくるカット、まるで水族館で水槽のガラスが割れて飛び出してきたサメが観客を襲ってくるような感じです。自分にはこのシーンが妙に怖かったですね。ゾンビが発生する説明はほぼ皆無という潔さも評価できますし、いろいろとネタ元にしたあの映画よりははるかに面白かったです。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-28 21:10:47)
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