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メメント のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 メメント
製作国
上映時間113分
劇場公開日 2001-11-03
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 その奇抜なアイデアで映画史に名を残したクリストファー・ノーランの出世作。10分経つと記憶が消えてしまうガイ・ピアースの記憶を遡って行くストーリーテリングはあまりにも有名になっています。この記憶を遡って行くストーリーが、なんというかまるで後ろ向きにどんどん歩いているときに感じるような居心地の悪さに通じるところがあります。ラストからリヴァースしてみると実は単純な物語だという指摘もありますが、それでも未熟者のわたくしには理解しきれないところが多々あります。以下、激しくネタバレいたしますので、悪しからず。 最初に観たときには、妻を殺したのは実はガイ・ピアース自身だったという解釈だったのですが、観直してみるとなんか違うように感じました。これはサミーの話がレナードの作り話だと土壇場でテディに明かされてからのすっ飛ばすようなストーリーテリングに影響されていることは間違いないです。正直な感想このあたりの展開は非常に判りにくい。最後まで(つまりこの物語の始まり)観ればテディ=ジョン・ギャメル=刑事だということが理解できるが、その前の記憶をたどってゆく(つまり冒頭で刑事と名乗ったテディが写真を撮られた以降、ああ、ややこしい)シークエンスでは彼は自分が刑事であることをほのめかすことすらしないのはなぜなんだろうか。こうなってくると、レナードが保険調査員だったという過去も果たして真実なのかアヤしくなってきます。テディやナタリーなどのレナード周囲の登場人物が、10分しか記憶が続かないレナードを自分たちの利益のために利用していたということだけはかろうじて理解できましたけど。とは言ってもレナードがテディを殺す動機はイマイチ理解できてませんけど。 近年の研究では人間の記憶というものは、本人が自己防衛のために改変しているということが定説となってきています。自分の記憶さえそんないい加減なものならば、アイデンティティとはいったい何なんだろうか、という疑問すら湧いてきます。この哲学的な命題を巧みに織り込んだのがこの映画だと言えるでしょう、観終わって決してスッキリした気分にはしてくれませんが。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-10-24 17:36:33)
その他情報
作品のレビュー数 484件
作品の平均点 7.05点
作品の点数分布
051.03%
110.21%
261.24%
3122.48%
4234.75%
5428.68%
66413.22%
712225.21%
810020.66%
96814.05%
10418.47%
作品の標準偏差 1.93
このレビューの偏差値 49.87
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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