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《ネタバレ》 ハイドリッヒ暗殺とその後の報復虐殺事件の悲劇をストレートに映像化し、戦争映画史上に残るダウナー映画として名を残しています。本作と『ジョニーは戦場に行った』および『炎628』が私が選ぶ三大ダウナー戦争映画です。ティモシー・ボトムズはこのうち二本で主演しているというのはある意味凄いですね。 暗殺成功した後の報復を恐れる現地レジスタンスと、命令遂行しか眼中にないまるで青春物語のキャラみたいに脳天気な若い潜入組との対比が面白い。だいたい史実通りなんですけど、暗殺隊員たちのグダグダぶりはイライラさせてくれます。でも妻子持ちをメンバーに選ぶおえらいさん方もたいてい間抜けです。そんな杜撰な計画でも暗殺は成功してしまい、その後にメンバーたちとチェコのリディツ村の住民の悲惨な運命を見せられると、実に暗澹たる気分にさせられます。 映画ではハイドリッヒが全欧のナチ占領地の責任者になることを阻止するのが暗殺を急ぐ理由になっていますが、そんな事実はなくこれはウソです。本当は有能なハイドリッヒが飴と鞭の占領政策で労働者階級を味方につけるような情勢になって来たので、チェコ亡命政府が住民を虐殺される危険を承知のうえで決行した作戦でした。この政治感覚は、ヴェトナム戦争のヴェトコンと相通ずるところがあります。冷戦時なのにプラハでロケさせてもらえたぐらいですから、そこら辺の機微に触れる様な部分は改変せざるを得なかったんでしょうね。
【S&S】さん [映画館(字幕)] 6点(2015-08-13 20:54:12)
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