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東海道四谷怪談 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 東海道四谷怪談
製作国
上映時間76分
ジャンルドラマ,ホラー,時代劇,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 怪談映画のマエストロ中川信夫の最高傑作、クズ映画を量産して消えていった新東宝も本作を残せたことで映画史に名を残すことが出来ました。 とにかく役者・スタッフたちの気合いが映像の端々にまで行き渡っている感じです。冒頭の伊右衛門がお岩との婚儀を断れたため義父を斬り殺すところからワンカットで押し通してしまうぐらいで、歌舞伎の様式美に拘りながらも斬新なカメラの動きは時代劇の枠を超えています。要所で見せる赤色の使い方が鮮やかで、低予算ながらも色彩設計は凝ってます。怪談と言えば音響が重要なのは当然熟知しているうえでの効果音の使い方がまた巧緻で、お岩・宅悦殺しのシーンにかぶさる花火の音やカエルの鳴き声が印象深い。 天地茂の伊右衛門は、三島由紀夫が絶賛したのも納得の名演です。こういう極悪非道ながらも人間的な苦悩を見せる伊右衛門像は、それまでの四谷怪談にはなかった演出なんだそうです。お岩さんの若杉嘉津子は言うまでもなく彼女の女優人生で最高の演技、ラストの我が子を抱いて昇天してゆく姿は涙を誘います。 四谷怪談の映画化作品でおそらく本作の上映時間が最短だと思いますが、実に濃密な70分余りです。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 10点(2015-07-26 22:43:37)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 26件
作品の平均点 7.19点
作品の点数分布
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427.69%
527.69%
6519.23%
7311.54%
81038.46%
927.69%
1027.69%
作品の標準偏差 1.59
このレビューの偏差値 61.05
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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