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《ネタバレ》 このサイトに登録されている数あるスコセッシ監督作で、本作が群を抜いての最低点、4点台の評価作は他にありません。いやあ確かにこれが不当な評価でないことは観れば納得できます。考えてみれば、スコセッシ、脚本ポール・シュレイダー、主演ニコラス・ケイジ、という組み合わせは、制御不能な化学反応という感じです。『タクシードライバー』では主演がデ・ニーロというチームでしたが、デ・ニーロとニコジーではやはり映画の神様の贔屓度が違いすぎで、デ・ニーロの方が映画をコントロールしてゆく能力が高く、狂ったストーリーでも自分の演技で傑作に仕立てあげることが出来るわけです。どちらもハリウッドきってのメソッド演技達人なんですけどね。まるで巡回するパトカーか流しているタクシーみたいな救急車、日本とNY の救急システムの違いの大きさを感じてしまいます。その救急車を派遣する病院がまたすごい、もう病院じゃなくて警察署か刑務所としか見えませんでした。けっきょくニコジーは三人の相棒と組んだわけですが、ジョン・グッドマンは良心的な人柄だったのがヴィング・レイムスからなんかおかしくなってきて、三人目のトム・サイズモアになると完全にニコジーを超越したぶっ飛び男です。考えてみれば彼が登場してからがこの映画の暴走が加速してきた感じで、ニコジーとサイズモア、そしてスコセッシまでもがみんなクスリをキメてラリって撮影したかのような状態です。こうなるともう誰にも止められませんね(笑)。メソッド俳優好きなスコセッシですけど、どうもニコジーとは相性が良くなかったとしか言いようがないですね。 「親父はバスの運転手でお袋はナース、俺は両方受け継いだ」というニコジーのセリフがあり、「上手いこと言ううなあ」とちょっと感心しました。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-07 22:20:56)
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