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《ネタバレ》 何ともおぞましい一つのスラム街の子供たちを、徹底してエンターテイメントとして描く。スタイリッシュな映像で且つ脚本的に面白く、娯楽映画として味付けしているのはわざとでしょう。吉行淳之介の名言「汚れるのが厭ならば、生きることをやめなくてはならない。生きているのに汚れていないつもりならば、それは鈍感である。」という言葉を思い出す。私たちは遠い世界の関係のない話と思ってこの映画を楽しむ。エンドロールまでは。しかし、最後の最後で実話と知る。そこで気づく。この話の遠因には常に私達がいて、搾取する側と搾取される側の深い深い溝が横たわっている。先進国が豊かでいる一番下で、こういう子供達が懸命に支えている。そのことを重い現実として受け止めなければならない。先進国の人々は、汚れていないつもりで生きている。そのことに対する強烈な皮肉だ。ナイロビの蜂でも思ったが、この監督は余韻の棘を観客に打ち込むのがとても上手い。
【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-07 17:52:12)
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