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この監督は前作で、映像表現である映画に台詞で説明させる、というダサイ事やってましたが、今作は緩和されていて良かった。史実を描くつもりはなく、設定説明の省略に実在人物を用いる手法は深作監督もやっていた。五右衛門が煮えたぎった油(釜ゆで刑は熱湯ではない)に入れられ処刑された時、息子も放りこまれたのは事実(無視されがちな史実)内容はベタである。ゲームである。ゲームとしてプレイすれば大感激の嵐だろう。映像美も超一級だもの。この監督の欠点は「個人の絶望」と「世界の狂気」を同一のように描いているところだと思う。だから人物象が薄いのだ。まさか一人の人間が世界を変えられる、みたいに思ってんじゃないだろうな?(共和制の否定にでもなりかねん)ヌルイぞ、甘いぞ、若造だぞ。深作監督は戦中を生き抜き、世界と人が絶望と狂気に陥る様を体験している。やはりこの差は大きい。好みの問題かもしれんが、この欠点が無くならない限り、私にとってキリヤ監督は映画監督ではない。ゲームクリエイターである。
【果月】さん [地上波(邦画)] 6点(2010-12-06 09:32:48)
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