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羅生門(1950) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 羅生門(1950)
製作国
上映時間88分
ジャンルドラマ,法廷もの,時代劇,モノクロ映画,犯罪もの,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
まず冒頭の大雨の中に不気味に映し出される朽ちた羅生門に心を鷲掴みにされた。
映像がとにかく素晴らしい。
荒廃した世界のシンボルとして羅生門が描かれているように感じた。

黒澤映画の中でもある程度黒澤映画に慣れてきた人が観る映画だと思った。
玄人向けな作品かもしれない。

それぞれの人間のエゴが剥き出しになって、真実がどんどん曖昧になっていく。
登場人物が少ないが、先が気になる展開の仕方もお見事。

必要以上に冗長な部分があるのと、少し説教臭いのはご愛嬌。

黒澤映画はどの作品も人間描写に力を入れていてとても好みだが、この作品は特にそれを濃く感じた。
役者が少ない分、ひとりひとりの素晴らしい演技を集中して堪能することが出来る。
印象に残っているのは鬼気迫る殺陣シーン、狂ったような京マチ子の演技、表情で見せるラストの志村喬。どれも素晴らしかった。

そしてこの映画全体の雰囲気を決定付ける映像と音楽(ボレロを気味悪くしたような)。

色んな実験がされているからか、他に類を見ないミステリー作品に仕上がっている。
見る度に新しい発見があるような、そんな作品だと思った。


おーるさん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-06 05:55:14)
その他情報
作品のレビュー数 183件
作品の平均点 7.33点
作品の点数分布
000.00%
110.55%
221.09%
321.09%
442.19%
5126.56%
63016.39%
74524.59%
84222.95%
92714.75%
10189.84%
作品の標準偏差 1.69
このレビューの偏差値 52.35
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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