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《ネタバレ》 映画の出だしは黒澤作品らしいベトベトした重たい画面で、期待は高まったが、話が進むにつれて、あまりにも変化の少ない画面作りに監督手抜きしてるんじゃないのと思ってしまった。
また、三船敏郎のイメージとあまりにもミスマッチな役柄で、準主役の志村喬と千石規子だけがイメージ通り頑張ってる感じ。 それ以外の脇役陣も、大映映画だからだろうが、存在感がなく魅力に欠け、主人公三船の違和感のみが強調されてしまった。 シナリオ的には若くてギラギラした風貌の主人公が静かに葛藤するということで、当時は三船敏郎がドンピシャと判断したのだろうが、その後の映画で築いた三船敏郎のイメージでこの映画を観ると、ちょっと違うだろう思ってしまう。 三船を使うなら、もっと躍動感があってギラギラした展開、絵作りにすべきだし、シナリオ重視なら、もっと落ち着いた役者を使うべきだったと思う。 シナリオも含めて映画として全然駄作ではないのだが、「黒澤-三船の映画」という目で見ると名作とは言いがたく、まだ三船の可能性を探っている段階の試験的作品で、この路線はダメだと勉強した作品ではないだろうか。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-04 03:50:02)
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