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《ネタバレ》 最高!!
今作の魅力は ・「スパイダーマン」などのアメコミものに対するおちょくり ・ヘタレ主人公の成長物語 ・残酷アクション などに集約されます。 この脚本家は相当な映画オタクなんでしょう、観客の予想を裏切る展開と、王道の復讐、成長物語がミックスされ、ゲラゲラ笑え、時には登場人物を本気で応援する、最高に楽しめるエンターテイメントとして仕上がっています。 音楽のセンスもたまらない。予告編でも流れる「ナ~ナ~ナ~」の可愛い曲(BANANA SPLITS)もいいですが、「28日後」でも使われたあのギター曲(In the House In a Heartbeat)には鳥肌が立ちました。 そしてヒットガールは超可愛い!デイブの友達が言う「あの子が大きくなるまで童貞を守るぜ」に共感する男子がどれだけいるのやら。 この映画は実はものすごく怖くって、ヒーローになりたい人間の心情を切実に描いただけでなく、普通の人間がヒーローになろうとしたらどうなるか?という点も描いています。 ビッグダディは復讐に燃えヒーローになりすまし、大量に殺人をする。その娘ヒットガールはその巻き添えです。 「誕生日プレゼントに子犬が欲しい」とヒットガールは言い、「冗談よ、バタフライナイフが欲しい」とも言う。 前者はおそらく本心なのでしょう。ヒットガールはビッグダディが生みだした怪物であるとともに、素直になれないかわいそうな女の子なのです。 さらにキックアスも自警活動のおかげでボロボロに痛めつけられ、終盤で復讐に加担し、人を殺す。 真の意味でヒーローになった主人公ですが、自分は内心ぞっとしました。 悪を滅ぼすのは善じゃなく、別の狂気にかられたものなのです。 そう考えると、残酷描写にも意味があります。このグロテスクさこそが、ヒーローを夢見る者への警告であり、皮肉なのです。主人公の言う「連続放火魔と一緒で、自分を抑えることができない」なんて台詞はその最たるものでしょう。 設定だけ見るとコメディのようですが、それだけで終わらない深さ。大傑作だ! 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-01-03 19:11:31)(良:7票)
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