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大阪・心斎橋の引っ掛け橋、十三の風俗街、阪急百貨店前の天井の高い通路(建替えでもう見られなくなった・・・残念)など、大阪が舞台のポリスアクションです。私、大阪出身でして、大抵のシーンがどこで撮られているかがわかります(ちなみに松田優作の女のいるバーが入っているビルはハリボテです。あんなものは心斎橋にありません)。リドリー・スコット以下、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシアらが見知った場所を走り回っていたことを思うと無性に嬉しくなってしまいますね。ハリウッドのポリスアクションに欠かせないエンタテイメント要素である車・銃・女の三大要素が日本を舞台として選択されたことにより見事に排除されて、オートバイ・ヤクザそして大阪弁に代替されています。日本という舞台設定は『キル・ビル』のようにタランティーノの趣味の延長ではなく、そんなアホなというシーンはあるものの、作品のテンションを持続させるため大真面目に演出のネタとして生かされています。例えばデコトラ。主要人物が乗っているわけでもなく、大阪だからといってそこらへんを走っているわけでありませんが、日本という得体の知れない土地を表現するため目にとまったのでしょう。そして松田優作。ジャパニーズ・ヤクザとして胸を張れるのは本作における彼の演技以外知りません。ヤクザ連中のドスの効いた大阪弁も素晴らしく、島木譲二が本物のヤクザ役を張っていたり、十三のネオン街や卸売り場の屋台など、異国情緒を演出すべく大阪文化総出で挑んだ傑作です。
【さめがい】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-26 23:06:41)
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