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いやぁ、これは面白い。道徳と倫理そっちのけでエンターテイメントに徹した近年稀にみる邦画です。暴力的に話を要約すると、中学生の教え子に一人娘を殺された松たか子が彼らに復讐する話です。人の痛みを理解できず、自己陶酔を自ら演出することに長けたいかにも現代っ子な中学生にたちに執拗な罠を仕掛ける松たか子の演技が冴えに冴え渡っており、彼女ゆえに本作が成り立っているとういえます。エイズ、少年法、殺すことの善悪など、いかにも映画のメッセージに成りえる要素を含んでいながら、それを軽がると無視する中学生の軽薄さと現実感の欠如と、愛娘を殺された松たか子の激烈な怨念の深さにハラハラドキドキしながら喝采する映画ですよこれは。原作が小説であることからかモノローグが多用されており、言葉ではなく映像で語るという点で物足りなさがあるものの、イメージ映像、スローモーション映像を刈り込めば、『パルプ・フィクション』クラスの世界各国に輸出できる極めて良質なエンタテイメント作品であると思います。バックに流れる音楽も素晴らしい。
【さめがい】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-11-21 23:50:29)
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