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本作のオープニングは、トム・クルーズがレディオヘッドの「エブリシング・イン・イッツ・ライトプレイス」をバックに、アパートで目覚めるところから始まります。打ち込み音が多くひんやりとした肌触りの『キッドA』というアルバムのオープニング曲で、このアルバムと同じく、一体何が始まるのか音の先に広がる風景を想像して非常にワクワクします。が、ケミカルブラザーズ、シガーロス、ジェフ・バックリィなど、途切れることなく聴こえてくる音楽すべて、映像とその場面に全くマッチせず、かえって違和感を掻き立てられます。映画は全編、トム・クルーズの観ている夢でした、というオチを知ってみるとこの非現実感と不気味さも納得できました。『トータル・リコール』と『インセプション』と『エターナル・サンシャイン』に『ハイフィディリティ』を振りかけたような映画で、キャメロン・クロウの作品らしく、深刻になりすぎない明るさがあり、エンターテイメントとしてよくできた作品だと思います。ヒロインのペネロペが、可憐でありながら芯の強い女性を見事に演じています。彼女の演技の幅の広さには毎回脱帽させられます。
【さめがい】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-05 22:29:24)
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