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隣りの八重ちゃん のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 隣りの八重ちゃん
製作国
上映時間79分
劇場公開日 1934-06-28
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 「松竹小市民映画」つまり松竹モダニズムのエース「島津おやじ」の傑作。原題「隣り」で動詞的送りがな「り」がついているのに(もちろん旧送りがなということでもあるが)いまや「り」なしでこの作品を扱う向きがある(DVD版なども)のは実に「わかっていない」。モダンな消費社会の郊外において買われた「隣り」、昭和初期の動詞的に隣り合う二つの文化住宅、の快適な付き合い。「り」は例えば冒頭のキャッチボールにおいて暴投されるボールである。「隣りの窓ガラス」というものはよくわれるのであって、われた窓ガラスは幸福な「隣り」の換喩なのである。そこに波風、結婚に破れた(八重ちゃんの)姉岡田嘉子が帰ってきて主人公恵太郎に迫る。だが岡田嘉子は「隣り」には似合わずまた隠喩的に「蒸発」する。岡田嘉子はどこへ行ったか。それはともかく、快適なモダンな「隣り」の付き合いは、やがて来襲する陰気な「隣組」(「り」はない)の時代に踏みにじられたのであった(とは、この映画の外である)。
ひと3さん [映画館(邦画)] 10点(2011-03-12 13:05:00)
その他情報
作品のレビュー数 7件
作品の平均点 7.43点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.76
このレビューの偏差値 58.29
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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