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《ネタバレ》 オダギリジョー演じる猛はきっと、目に映る世界を否定することで、自分という存在を保ってきたのかもしれない。だからカメラマンという職につき、ファインダー越しの世界に身を委ねてきたのかも。そのあやふやさが結果的に裁判での発言へと繋がり、兄との関係をリセットすることとなったのでしょう。しかし皮肉なもので、幼少期の頃に撮影された8ミリフィルムには、「真実」がしっかりと記録されていた。その「真実」を見たことによって猛は、自分の作り出したファインダーをようやく取り外すことが出来、見える世界、見た世界を受け入れるようになる。なんともまぁ味のある演出ですよね。この監督の作品はこれでラスト。他の3作品と比べると、一応ハッピーエンドになるのかな?分からないけど。あの兄の笑いは逆に捉えることもできるしね。ここから箇条書きで。○木村祐一はこの作品の世界観にあっていない。○台詞が生々しく、時々ドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥る。○オダギリジョーと香川照之のコンビは最強!もっと見たい!○猛が8ミリを見てからがやや間延びしていてもったいない。○小ぢんまりとしているが、実はもの凄くディープで繊細な、非常に完成度の高い作品です。多くの映画ファンに観てもらいたいです。観終わったあとよりも、数日経ってからジワジワと来る、そんな映画です。
【Dream kerokero】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-06 18:02:20)
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