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《ネタバレ》 かつてアニメ版パトレイバーに熱中していた者として。今回の長篇だけでなく、短篇12話もすべて劇場で見ましたが、やっぱり押井監督はパトレイバーそのものが好きじゃないんだろうなぁ、と感じます。往年のファンへのサービスのつもりか、過去作の台詞をそのまま持ってくるシーンも多く、かつてのパトの雰囲気を感じられなくもないですが、時代が進んでしまったこととアニメでなく実写化によるリアルな質感によって、かつて我々が夢中だったパトレイバーのノリが、むしろ気恥ずかしさを生起させてしまっているような感じで。それでも押井脚本でない回はまあまあ面白いものもあったのですが、第5/6話の怪獣騒ぎや、第12話からつながる今回の劇場版を見ると、「押井さん…まーだ、こんなことやりたいの?」という、いささか食傷気味の感想しか抱けません…。歴代作品の中でも「最もレイバーが登場しない」とも言われるMovie2(1993年)の正統な?続篇ともいうべき、今回の首都決戦。やってること自体はあまり変わらず、前作で荒川が後藤に延々と語った青臭い「平和論」を今回は高畑が後藤田に語り続けます。でも22年の間に世の中はおそらく押井監督の想像以上に進んでしまっていて(なんせその22年の間にEVAも踊る大捜査線も、2つの大震災さえもすっぽり入ってしまいます)、正直その語りは古臭いし鼻につく感じです。サービスで声だけ登場した南雲さんも、あまり必然性を感じられず…この作品なら後藤さんは無理に出さなかったのは正解ですね(正直今回のテーマなら、南雲と柘植よりも、世界線が異なるものの、後藤と甲斐冽輝の方を掘り下げて欲しかった感も)。長くなってしまいましたが、今回の犯人(灰原)の動機も結局うやむやだし、テロで大騒ぎした割に解決もなく終わるんでカタルシスも不足…つまらなくは無いけれど、非常に残念な作品と思いました。
【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 5点(2015-05-04 00:41:19)
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