Menu
 > 作品
 > カ行
 > かくも長き不在
 > tottokoさんのレビュー
かくも長き不在 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 かくも長き不在
製作国仏,伊
上映時間98分
劇場公開日 1964-08-14
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 静かな映画である。1960年、パリ。スマホはおろかFAXだって無い、今よりずっと社会全体がゆっくりだった時代。さらに季節はバカンスを迎えて通りに人がいなくなり、静まり返った日常にふいと現われた行方不明の夫。
妻は一人必死に記憶を呼び覚まそうと奮闘する。性急にならぬよう、自制しながら。レコード音楽がゆるゆると流れ、妻の激しい一念とは裏腹に、何もかもがスローにおっとりと描写される。1カット固定でじっとしているシーンも多いし、オペラを一曲聴かされるのも退屈で苦痛に感じる人もいるだろう。
だけど、それまでのどっちつかずのもやっとした空気がラストシーンで一変するのだ。妻の努力が、周囲の気遣いが無に帰すあの瞬間。どんなに必死に思いをかけても、彼の脳裏に甦るのは収容所での苛酷な記憶なのだ。
かくもかくも、その不在の長きことに胸を衝かれる、非情のラストなのでありました。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-18 23:45:52)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 6.33点
作品の点数分布
000.00%
115.56%
215.56%
300.00%
4211.11%
515.56%
6316.67%
7316.67%
8422.22%
9316.67%
1000.00%
作品の標準偏差 2.29
このレビューの偏差値 49.36
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
かくも長き不在のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS