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ハンナ・アーレント のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハンナ・アーレント
製作国独,ルクセンブルグ,仏
上映時間114分
劇場公開日 2013-10-26
ジャンルドラマ,実話もの
レビュー情報
《ネタバレ》 アイヒマンを”解り易く”糾弾しなかったことで世間から袋叩きにされるハンナ。60年当時であれば、ナチの禍々しい爪あとはまだ記憶に新しい頃だろう。ナチの幹部など吊るし上げて当然の風潮の中、ユダヤ人でありながら冷静にアイヒマン個人を観察し、悪というものの構造をひも解いた彼女の知性に驚嘆する。
ハンナが、世間がヒステリックに決め付けたような「冷酷な人間」ではないこともきちんと描かれた。病に倒れた夫を献身的に看病し、友人を失ったことには傷つく。読者からの抗議の手紙にも「傷つけたことを詫びる」ために返事を書く誠実さもある。
バルバラ・スコヴァの熱演もあって、ハンナ・アーレントという哲学者の生き様と当時の世相がとてもよく伝わった。
今の時代のブログ炎上どころの騒ぎではなかっただろう。しかし彼女はそんじょそこらの男たちが束になって悪口を言ってきても、ひるまずりりしく、勇者のごとく一人立つのだった。
信念を曲げないこと、発言する勇気と結果を引き受ける責任感。
こんな人がいたのだと、教えてもらった圧巻の120分であった。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 00:54:04)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 7.06点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.08
このレビューの偏差値 49.52
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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