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狩人の夜 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 狩人の夜
製作国
上映時間92分
ジャンルサスペンス,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 古いながら、独特の感性を持つサスペンスです。このセンスは当時としては先鋭的すぎたのでしょうか、評価が今ひとつだったというのは意外です。
幼気な子供が邪悪な大人と対決しなければならなくなる。しかも周囲の大人たちは頼りにならないというプリミティブな恐怖はサスペンスの王道と言いましょうか、作中でも名の出る「青ひげ」この名作を読んだ時の芯から震えが来るような、純然たる”怖い”という感情を思い起こさせました。
モノクロがその効果をいかんなく発揮している映像美もまた特異で、目の奥に強い印象を残します。水草のように揺れる母シュリーの髪、遠くに認める殺人鬼の黒いシルエットは絵画のよう。庭に忽然と、ぽつりとそこにいる殺人者。その存在の異様さ。
まるで暗号のように聖書の教えが作中あちこちに流れます。キリスト教の観点からの道徳を説いているのかと解釈しながら観ていたのですが、ラストでは村人たちが掌を返したようなリンチ寸前の暴動で、その寛容の無さを丸出しにしています。リリアン・ギッシュも辟易して避けて通るほどの。いやなんというか、ひとクセもふたクセもある、どこまで奥行きがあるのかわからないお話でした。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-20 00:19:55)
その他情報
作品のレビュー数 41件
作品の平均点 6.78点
作品の点数分布
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349.76%
437.32%
537.32%
6614.63%
7819.51%
8819.51%
9717.07%
1024.88%
作品の標準偏差 1.98
このレビューの偏差値 53.11
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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