Menu
 > 作品
 > コ行
 > コラテラル
 > mikiさんのレビュー
コラテラル のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 コラテラル
製作国
上映時間120分
劇場公開日 2004-10-30
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,犯罪もの
レビュー情報
《ネタバレ》 L.A.と言えばハリウッド、ビバリーヒルズ、ロングビーチ・・・。一度は行きたいと憧れる、華やかな街。雑踏の中姿を現す、仕事に徹する1人の殺し屋と、生活臭漂う1人の平凡なタクシー運転手。華やかさとはかけ離れたローカルなL.A.の街並みを軽快なラテンのリズム、しっとりと落ち着いたナンバーで車を流せば、夕暮れから夜へとかけて俯瞰で眺めると、いつもの街並みもまた違った顔を見せてくれる。ヴィンセントとマックス、「仕事」は違えど、「仕事」をする男に違いはない。ヴィンセントは普通の、仕事の出来る男だ。マックスから見れば「殺し」を職業としている人間は「普通」に見えないだけの事。ヴィンセントも倒錯している訳でもない。「6年」も同じ仕事を続ければウデは上達し、誇れるし、人にものだって言える様になる。それに比べてマックスはどうだ?「12年」もタクシーを転がし、これは「仮の仕事」だと言い、夢を夢のまま終わらせようとしている。最初に殺した男を地球の人口60億の内の1人だと言うヴィンセントは自分のしている事を正当化する訳でもなく、事実を日々気にしない偽善的な態度をとるマックスに苛立つ。ヴィンセントにしてみれば仕事をして何がおかしい?という気持ちなんだと思う。そこには感情に左右されず
に躊躇する事のない冷徹なまでの仕事ぶりを披露するプロの姿がある。刑事ファニングをいとも簡単に撃ち抜き、「仕事だ。」とさらっ、と言うヴィンセントに「殺し」に対する罪の意識は全く無い。目的地まで宣言通りに7分で着くドライバーの勘が鋭いマックスと同じで、「仕事」が出来るだけなのだ。そんなヴィンセントの考えを否定し、「人間としての根本的な何か」が欠けてると説教を垂れたマックスに対して露わにしたのは怒りよりも不快感。中途半端にしか仕事が出来ないお前に言われたらお終いだ、という冷笑。なぜお前は俺の仕事が理解出来ない?という苛立ち。「マックス!これが仕事だ!」と言うヴィンセントの叫びは、分かって欲しかった。そしてお前も男なら「本当」の仕事をしてみろ、と。殺し屋という孤独ゆえの、そしてプロとしての叫び。短くも一夜を共にした男に教え、教わった、もしかしたらマックスと話せた束の間の喜びだったのかもしれない。そしてマックスはきっと夢に一歩近づいたと思う。ヴィンセントのおかげで。
mikiさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-01 22:40:13)(良:4票)
その他情報
作品のレビュー数 252件
作品の平均点 6.12点
作品の点数分布
000.00%
120.79%
262.38%
372.78%
42610.32%
54618.25%
65521.83%
75722.62%
83815.08%
9114.37%
1041.59%
作品の標準偏差 1.70
このレビューの偏差値 59.99
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
コラテラルのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS