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《ネタバレ》 この映画をひと言で、的確に表せと言われたら、それはもう、「素敵」という言葉以外思い浮かばない。それ位素敵な映画です。この映画の登場人物たちの恋の舞台となるのは、かの有名な戯曲『ロミオとジュリエット』の悲恋のヒロイン、ジュリエットの銅像とバルコニーがある、イタリアはヴェローナの街。どこを切り取ってもそれはもう絵はがきの様に美しく、味わいある街並みと風景は言うまでもなく「素敵」であり、恋の成就をきっと後押ししてくれるような、最高のロケーション。このお話は、運命に辿り着くまでの(為の)小さな勇気の物語です。50年という時を経てもなお、変わらぬ愛というのは、その恋が成就すればきっと「運命」だと言えるでしょう。待っているだけでは、それは想いでしかない。クレアを突き動かし、奮い立たせたのはソフィの、クレアのジュリエットレターに対する返事(小さな勇気)だ。お互いに愛した伴侶が亡くなっているというのは少しご都合ですが、それも運命という事にしておいてあげて下さい(笑)。クレアはその勇気のおかげで運命を掴み取る事が出来たんです。「運命」に辿り着くまでの道のりを「人生」とするならば、この映画は長い人生の中で数少ない幸せな運命を手にするまでの一番素敵な人生のシナリオの一つを描き、切り抜いたものなんですね。素敵なはずです。そして運命は、この奇跡の地ヴェローナでやがてソフィにも訪れます。それはクレアの結婚式の席で起こりました。クレアの手紙への返事が、なんとソフィ自身に語られ、小さな勇気を与える、ジュリエット「から」の手紙になった瞬間です。こんな素敵な演出、見事な脚本は見た事ありません。素直な本当の気持ちと、それを伝える、ほんの少しの勇気があれば、きっと人生は有意義なものとなり、運命を引き寄せる事が出来る。心から素直に感激してしまいました。例え戯曲の中のヒロインだとしても、運命に翻弄され、抗い、その命を賭してまで悲恋を成就させたジュリエットも、きっと彼女達の恋を心から祝福し、いつまでも見守ってくれていることでしょう。
【miki】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2012-08-27 21:29:00)(良:1票)
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