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《ネタバレ》 『セブン』『ゲーム』『ファイト・クラブ』『パニック・ルーム』の様な初期作品の、切れ味鋭いシャープな演出や独特のカラートーン等控え目で、フィンチャー監督としては非常にオーソドックスな作りであると感じました。(原作があるから仕方ない?)オープニングからの風景の静止画カット等、『画』の一つ一つには相変わらずのこだわりが感じられる。画面に映る背景とキャストの立ち位置、カメラアングルや構成がいつもながら完璧なおかげでオーソドックスなのに各シーンを見ているだけでも退屈しない。「映画作り」が上手い証拠。ただ、この作品に限って言えば(言わせてもらえれば)、スティーヴン・ソダーバーグ監督の『サイド・エフェクト』(私的8点)や、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』(私的10点)等の類似ジャンル作品と演出面では拮抗していると感じる。何が言いたいんだ、って言われそうですけど、僕としては大好きなフィンチャー監督作として期待しまくっていたせいか、やや凡庸に思えたので。それでも映画の基礎がシッカリしているので安定感は抜群で、140分がちっとも長く感じません。やはりこの監督サンも『流石』としか言いようがないです、はい。キャストでは初期の頃から知ってるパイク嬢、若返った?って位お綺麗でしたね。二役(?)は賞狙いなるか。元カレの喉を掻っ切って鮮血を浴びた下着姿の妖艶さと、このシーンでのカット演出は流石のフィンチャー印!対するボニー刑事を演じたキム・ディケンズさんはやや老けたご様子で。観察眼が鋭く、優秀が故にまんまと筋書き通りに動いてしまう刑事を上手く演じてました。双子の妹マーゴを演じたキャリー・クーン(トニ・コレットに似てる!)もイイ味出してました。(グミ投げてベンの口に入るシーンがこの二人の仲を感じさせて微笑ましい)総じてもう一度観たい映画ですが、賞狙いは気にせず、初期の様な、「これぞフィンチャー!」というシャープでソリッドな映画を観たいとは思いました。
【miki】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-12-16 16:42:37)
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