| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 これは「こういう作品」として観れば完成度は高い。「発見されたビデオテープの映像」という触れ込みなのだから、これを『映画』として観るのは少々無理があるし、ケチを付けるのも筋違いな感じはする。だからはなから「こういう作品」として観れない人には面白味なんてこれっぽっちも無いと思う。但し、怖がりな人、超常現象番組なんかが好き、という人には理解してもらえそうだし、そうじゃないにしても、この内容は普通に観ても不気味であると感じると思う。まず、タイトルロールに続いて表示される字幕。森に出かけた3人の学生が行方不明になり、その1年後にこのビデオテープだけが発見された、という字幕。つまり、これから観る映像の3人は、未だに行方が知れていない、もしくは死んでいる、という事実を事前に踏まえている事で、もしかしたらビデオテープの内容で、または最後にはその理由が分かるんじゃないのか?という想像させる『煽り』を非常に上手く効かせている。そして、全編手持ち16mmで映っているリアルな森そのものが不気味。テントの外で聞こえる声、かけられた粘液、置かれた物体なども、この森に他の『何か』がいる、という事を観客に常に想像させ続ける。手法や演出としては王道かつ在り来たりでも、これほど単純で効果があるやり方は他にない。ラストシーンの解釈は色々あるかもしれないが、これは前半のシーン、町の人々のインタビューの中にある証言に類似するものがある。森に住むパーの家での事件。「見られたくないから、後ろを向かせて立たせた。」ラストの廃屋の地下で、壁を向いて立っていたマイク。殴られ(?)倒れたと思っていたが。これは証言にあった様に、ジョシュの次は…、を暗示していたのではないか?『映画』としてもちゃんと伏線が張られていて、「その先を想像させる余地」(これが真の怖さ)をとことん追求した、先駆的作品としてとても良く出来ていると思います。
【miki】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-08-22 20:17:52)(良:3票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |