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《ネタバレ》 TVシリーズ全130話のうち「どくろ仮面編」71話分の内容を、この「月光仮面」と「月光仮面 絶海の死斗」の二部構成で映画化したとのことである。
ヒーローというものに関する当時の感覚はわからないが、変身というより着替えただけのようなのはアメリカのスーパーマン(1938〜)のイメージか。特に超能力はないようだが神出鬼没で超人的な活躍を見せていて、かなり荒唐無稽だが痛快とはいえる。 この第一部では、序盤から悪人連中が正体を見せずに何気なく登場し、すでに劇中世界では敵勢力の浸透がかなり進んでいるとの印象を出している。うち空港と博士宅にいた悪人はわかりやすかったが、この第一部では正体を見せない敵の親玉が、序盤のうちから微妙な怪しさを出していたのは少し感心した(場面のつなぎ方、申し出の内容)。子ども番組の割に、説明しないで悟らせようとする場面が多い。 全体的にはわりと面白く見ていたが、ただし終盤で小学生女児が怖い目に遭わされる場面は大変よろしくない。きゃー助けてーというくらいならまだしも、本当に虐待されたかのようにギャーと泣くのでは悲惨すぎて聞いていられない。こんな場面をいつまでもやっていないで早くヒーローが助けに来いと思ったら、当の月光仮面はまだ外の土手道のようなところを走っていたりして遅い!!!と言いたくなる。結果的には少し遅れたことで次回につながる展開を作ったらしいが、これで印象が悪化したまま第一部が終わったのは残念だった。 その他個別事項: ・爆弾の名前は映像に「H・Oジョー発爆弾」と出るが、本来は「蒸発爆弾」だったのではないのか。空気がなくなるのは「ゴジラ」(1954)の酸素破壊剤に似た感じもあるが、名前からして「爆弾」なのはあからさまな危険物扱いで、ノーベル発明のダイナマイトを思わせる。 ・助手の男女は主にコメディ要員だったらしい。「カボ子」は北関東〜南東北あたりの出身か。 ・暗い窓に不気味な仮面が並んだ場面はなかなか怖かった。 ・少年少女の楽団が珍しいが、児童にこんな労働をさせていいのか。 ・爆弾の争奪戦では、取って逃げて取られて追う、という展開全体がラグビーのようで面白かった。 ・広々とした郊外の風景が見えていたが、これで意外に東京都区部だったりするかも知れない。驀進する蒸気機関車はなかなか迫力があった。 【かっぱ堰】さん [インターネット(邦画)] 5点(2025-06-28 19:59:19)
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