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透明人間と蝿男 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 透明人間と蝿男
製作国
上映時間97分
劇場公開日 1957-08-25
ジャンルSF,モノクロ映画,特撮もの
レビュー情報
《ネタバレ》 「透明人間現わる」(1949)に続く大映の透明人間第二弾ということになる。この後はないらしい。
前回からの "見えない人間" に加え、今回は "縮小した人間" という新発想のキャラクターを登場させ、ガメラ対××的に対決させる形になっている。ただし透明人間・蠅男とも必要に応じて得る能力という性質のものであり、善悪それぞれ複数人が利用するので特定の怪人が存在するわけではない。
蠅男というものについては「蝿男の恐怖」(1958米)が有名だが、製作はこれの方が先なので真似ではないことになる。またその原作である小説「蠅」("The Fly", 1957)からアイデアを取ったようでもないので独自の発想だったらしい。ただしこの映画では人間をそのまま縮小しただけで、ハエの形でもないので何で飛ぶのか不明だった。かなりいい加減な制作態度というしかない。
特撮映画としては合成が主だが、一部で大がかりなミニチュア特撮が使われていたのは意外だった。

物語としてはサスペンス展開で、当初は真の悪人が誰かわからないので安心できないが、全体の3/4程度のところで善悪対決の構図が固まる。その後は悪人側のテロ攻撃で東京中が大騒ぎになり、「戒厳令」という言葉が出たりして最後まで一応気が抜けない。
ただしつながりがよくわからないとかまともな説明がないとか唐突すぎて不自然な展開もあり、あまり真面目に見ても仕方ないところがある。最後はハッピーエンドなのでまあいいかという気分にはなるが、すっきり納得できる話でもなかった。

その他雑事:
・前作では透明人間を元に戻す方法はなかったが、この映画では自由に切り替えできることになっていた。さすが科学は進歩していると思わせるが、ただしやりすぎると長生きできそうにない。ウサギは何匹死んだのか。
・長身の刑事役はプロの俳優らしくなかったが、もとは水泳選手でオリンピックにも出たとのことだった。この人物はアクセントが西日本風だったが、一方で年長の刑事役が「蠅」を「ハイ」と明瞭に言っていたのは江戸言葉なのか。
・大人向け映画らしく若干エロい場面もある。美女ダンサーの豊満な肉体に蠅男がとり付くとか。
・悪人側のテロ攻撃で、国電が爆破された(有楽町日劇脇)のはいきなりだったのでけっこう驚いた。死者790人というのが悲惨である。
・警視庁が都民に警戒を呼びかけるために作った昔風のポスターが多種多様で感心した。
かっぱ堰さん [インターネット(邦画)] 4点(2025-07-19 14:52:42)《新規》
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 4.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.00
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