| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 (鑑賞後に調べました)なるほど、ケネス・ブラナーは1960年生まれのベルファスト出身なわけね。これは、まったくの私小説ならぬ私映画です。
予告を見れば、北アイルランド問題が背景にあるのはわかるわけで、この問題を深くは知らない私は、観る前、「理解できるかなー」と、少し不安だったりしたのですが、その心配は全くありませんでした。紛争は、あくまで子供の視点からしか描かれておらず、なんだかよくわからないが大人たちが揉めているなあ、という程度の扱いです。 そんな不安定な情勢の中でも、子供の小学校生活は、サッカーに興じたり、同級生に恋をしたり、そして少しのオイタをするなど、ごく普通に、というか、かなり幸せに流れていきます。 だから、結局紛争の激化のために、愛する故郷を離れなくてはならなくなった主人公の少年(監督自身)の望郷の想いが、ごくストレートに描かれているだけで、まあ要するに普遍性は全くなく、同じ60年代生まれではあるとはいえ、遠い東アジアのおっさんが共感できる部分はほとんどないわけで。 この人の作品は、絵作りはそれなりに丁寧なのですが、これと言って魅かれる部分がないんですよね。今作の、モノクロの選択や、間に挟まれるスター・トレック、真昼の決闘、チキチキバンバンなどの作品とか、パートカラーの使い方とかも、上手い、というよりは、あざとさが目立っている気がします。 あ、そうそう、ジュディ・デンチのラストのアップは、さすがの名女優の貫禄たっぷりでしたね。このシーンだけで、映画の格が一段上がっています。 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 5点(2022-03-30 00:23:52)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |