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悪の教典 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 悪の教典
製作国
上映時間128分
劇場公開日 2012-11-10
ジャンルホラー,サスペンス,犯罪もの,青春もの,学園もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 彼の名は、蓮実聖司。地方の公立高校に勤務する英語教師だ。人を惹き付ける明るい性格と誰もがうらやむルックスの良さで生徒からの人気も高い。また、常に生徒のこと第一に考える熱血教師ぶりと保護者からのどんな要望にも真摯に対応する人当たりの良さから同僚教師からの信頼も絶大。授業も丁寧で分かりやすく、体育教師も真っ青の身体能力の高さ、それでいて毎日軽トラックで通勤するような飾らない人柄から、皆に〝ハスミン〟と呼ばれ、親しまれている。まさに人格者を絵に描いたような完璧な教師だった。自分の欲望にとことん忠実で、そのためには平気で人を殺すことを厭わないサイコパスであることを除けば――。人気者の顔の裏で、盗聴や謀略を駆使し、自分の理想のクラスを作り上げようとするハスミン。なんでも言うことを聞いてくれる親衛隊、弱みをちらつかせたら簡単に高級車やタワーマンションを提供してくれる同僚のお坊ちゃん教師、そしてクラス一の美少女とのとろけるような甘美な時間……。だが、そんなハスミンの完璧な生活は、ちょっとした綻びから急速に崩れ始める。その明晰な頭脳で何とか立て直そうとするハスミンだったが、様々な偶然が重なり、事態は取り返しがつかないことに。果たして彼が最後に選んだ「手段」とは?原作は、数々の賞に輝くベストセラー作家、貴志祐介。遅ればせながら、最近原作本を読んだのだけど、これが思いのほか面白くて、これほど夢中になって読んだのは何年振りだろうというくらいの傑作でした。で、その流れで映画化された本作も鑑賞。いやー、蓮実聖司を演じた伊藤英明はまさに嵌まり役でしたね。原作のイメージ通りの笑っちゃうくらい男前だけど、何処か胡散臭い感じがサイコーでした。そんなサイコーパスな彼が、自分の理想のクラスを作るために邪魔な生徒を学校裏サイトで炎上させたり、モンスターペアレントを火事で焼き殺したりする前半はその不穏な空気感も相俟って、なかなか楽しい。普段、世間体や人とのしがらみから色んなことを我慢している自分の鬱屈した暗い部分をビシバシ刺激してくれて、ここら辺は原作通りの面白さでした。ただ、後半からこの監督の良くも悪くも持ち味である「大味」な部分が目立ってきて、次第にテンションが下がってゆく自分がいました。うーん、後半からが雑すぎますかね。最大の見所であるクライマックスの生徒大量殺戮シーンも、原作ではもっと葛藤して悩んだ挙句「こうなったら皆殺しにするしかない。あいつらには悪いが早めに〝卒業〟してもらおう」と冷静に結論付けるところが、この蓮実聖司と言う強烈なキャラクターの魅力だったのに。これでは単なる頭のおかしい殺人鬼ってだけじゃん。まぁ画としては強烈で、あの傑作をここまで映像化してくれただけでも自分は満足度高めでしたけど。原作が大好きだった分、いろいろと不満点も残る作品でした。惜しい!
かたゆきさん [DVD(邦画)] 6点(2025-07-04 12:45:36)
その他情報
作品のレビュー数 84件
作品の平均点 5.51点
作品の点数分布
022.38%
100.00%
267.14%
367.14%
455.95%
51821.43%
61517.86%
72630.95%
844.76%
911.19%
1011.19%
作品の標準偏差 1.91
このレビューの偏差値 51.34
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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