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《ネタバレ》 1968年、ヨーロッパの東端にある小国旧ズブロフカ共和国。閑散としたかつての豪華ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」に泊まっていたとある作家は、そこでこのホテルのオーナーで大金持ちの老人ゼロと出会う。いかにも変わり者と言った彼に小説の題材を探していた作家は、いたく興味を惹かれ、思わず夕食の誘いに乗ってしまうのだった。そこでゼロが語り始めた物語は、彼の師でありホテルのコンシェルジュでもあったムッシュ・グスタヴと共に経験したとある殺人事件を巡る波乱万丈の冒険活劇だった…。豪華俳優陣を存分に使い、昔から独特の作風で知られるウェス・アンダーソン監督が新たに製作したのは、そんな奇想天外なスラップスティック・コメディでした。正直に言わせてください、僕はこのウェス・アンダーソン監督のセンスとはやっぱり合わないみたいです。確かに、この作品の全編に横溢する唯一無二の独特の世界観や、まるで絵画のように美しい色彩感覚や、上質なウェットとユーモアに富んだストーリー等々、その実力は充分に認めるところなのだけど、それでもこの監督の「どうだい?俺ってセンスあるだろう。まぁ分からない奴には一生分からないだろうけどね。ははは」と言わんばかりのまるで自分のセンスを上からひけらかすような唯我独尊的態度(え、卑屈すぎ?笑)が、僕は昔から妙に鼻について正直あまり好きではないんですよね~。ティム・バートンやジャン・ピエール・ジュネのように、もっとアクの強い一片の毒のようなものがそこに含まれていれば良いのだけど、この意図された極度なまでの軽薄さはやっぱり僕には物足りないっす。って、「じゃあ、観なきゃいいじゃん!!」と突っ込まれるとイタイところなのだけど、この人の作品て毎回キャストが豪華だからやっぱり手が伸びてしまうんですよ、悔しいけどさ。こうなると、なんだか文句を言うために映画を観てるみたいで、「これじゃ、テレビ局にクレームの電話したいがためにテレビ見ているクレーマーおばさんと大して変わらないじゃん…(泣)」と自己嫌悪に陥りそうなのだけど、それでも自分の心を鬼(クレーマーおばさん?笑)にして評価させてください。5点!!
【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-08-05 21:59:28)(良:1票)
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