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《ネタバレ》 素晴らしいほど繊細に"普通の人々"を描いた傑作だった。1980年にしてこんなに繊細に人間のグレーの部分を描いていることに驚いた。何度も泣いてしまった。
家族を失うという悲劇に、残された家族は一様に心に傷を負うが、その対応の仕方がまるで違っていて、それがまさに普通の人々だ。 母親は愛情が少ない人物のように描写されているが、自分には彼女が「蓋をする」タイプの人物のように見える。あまりに辛いことはそれに向き合うことをせず「触れない」。おそらく次男に対しても愛情はあり、色々あった結果として今の態度に至っているように見える。フレンチトーストの件も同じようなことが何度もあったうえでの積み重ねではないかと。ただ解決するために正面から向き合わずに逃げている。カウンセラーが言う「彼女の限界」。 辛いことや面倒から逃げること、自分に置き換えると胸が痛い。 人って白でも黒でもなくて、皆グレーなんだよな。方位によってグレーの濃淡がそれぞれ違うだけ。 次男はセラピーと新しい出会いによって変化・前進することができた。他者を変化させるのではなく自分を変える。そのことで周りが変わる。誰よりも傷ついているのにそれができるのが本当にすごい。 【kosuke】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-09-11 20:00:14)
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