Menu
 > 作品
 > キ行
 > きみはいい子
 > 飛鳥さんのレビュー
きみはいい子 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 きみはいい子
製作国
上映時間121分
劇場公開日 2015-06-27
ジャンルドラマ,学園もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 『そこのみにて光輝く』が暗く退屈で、呉美保監督は師匠が個人的に苦手な大林監督というのもあって勝手に相性が悪いに違いないと思っていた。が、この映画は良かったし、大林監督とも作風が違っていた。
虐待された子が親になったら心ならずも我が子を虐待してしまうというのはよく言われていることだが、この映画には雅美の葛藤がよく出ている。同じように虐待された過去を持つ陽子は、愛にあふれた優しい母に。そうなれたのは、暴力親から庇って抱きしめてくれた近所のお婆ちゃんがいたから。一人でも抱きしめてくれる人がいれば、子供を救うことができる――そんなメッセージが伝わってくる。
認知症のお婆さんと自閉症の子供の交流もほっこりさせられる。

言うことを聞かない生意気なガキをきっちりと叱れない新米教師岡野の頼りなさにイライラ。昔は時にはビンタで愛のムチも辞さない恐い先生がいたものだが、今はモンペが黙っていないのでそんなこともできないのだろう。教師が手出しできなくなって子供がつけあがる。そうして学級崩壊へという悪循環。
こういう状況で「家族に抱きしめられる」宿題なんか出したところでバカにしてやってくるわけがないのだが、欠席者一人(義父に虐待されてる神田)以外は全員やってきているところがあまりに絵空事に感じられる。気まずくて言い出せない子供や、言われても無視する親は絶対にいる。拒否された子はさらに傷つくことを考慮にいれない、超楽観的な宿題だ。
岡野が神田宅に乗り込むところで映画は終わっているが、そこまでやる気持ちは大事。あのクズ親相手なら、自分の無力さを思い知ることになるだろうけど。
それにしても、今の学校はつまらないことでがんじがらめで先生が気の毒になる。あれでは教師に心の病が増えるはずだ。職業病と言っていい。男子も女子もさん付けで呼ばなければいけないとか、もっと大事なものがあるだろうに、本当にくだらない。
飛鳥さん [DVD(邦画)] 7点(2017-09-07 23:07:24)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 22件
作品の平均点 7.64点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
514.55%
6313.64%
7731.82%
8522.73%
9418.18%
1029.09%
作品の標準偏差 1.30
このレビューの偏差値 46.23
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
きみはいい子のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS