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アメリカン・ヒストリーX のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アメリカン・ヒストリーX
製作国
上映時間119分
劇場公開日 2000-02-19
ジャンルドラマ,犯罪もの,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 てっきりネオナチの兄に影響を受けた弟のほうが主役かと思ったが、兄デレク(エドワード・ノートン)がメインだった。
刑務所での体験が兄の価値観をひっくり返した。黒人校長の「憎しみは君を幸せにしたか?」という言葉が突き刺さる。
が、デレク刑務所で同じクリーニング係の黒人と打ち解けていく様は微笑ましい。ただ、その黒人がデレクをどのようにして他の黒人たちから守ったかを、少しは描いてほしかった。

ラストが衝撃的。兄が殺されると思わせるような伏線を張っておいて、弟のほうが殺されてしまうので意表をつかれた。
その時に流れる弟のナレーションが、やっぱりきれいごとに響いてきてしまう。理想はそうであっても、悲劇的な結末が示すように、そんなに簡単にはいかないのだろう。
この作品には、人種のるつぼである現代アメリカの抱える問題が横たわっている。人種差別する側にも言い分があり、それがあながち全部否定しきれないところに、根の深いものを感じる。

移民問題でヨーロッパの治安が悪化したのは事実だし、アメリカでのトランプ政権誕生にも不法入国や移民に対する多くの人の不満が作用した。
日本にも声高に差別を激しく糾弾している側が、偏った思想で逆差別を助長しているケースだってある。
「憎しみは君を幸せにしたか?」問題の解消に特効薬はなく、この言葉に立ち返るしかなさそうだ。
ただ、ラストのように家族が殺されても憎しみを抑えられることができるのか。せめて犯罪を憎んで容赦なく厳罰を与えることができれば。
時間をおいた今また見てもいろいろ考えさせられる映画だった。
飛鳥さん [DVD(吹替)] 8点(2012-12-06 17:45:04)
その他情報
作品のレビュー数 320件
作品の平均点 7.79点
作品の点数分布
010.31%
100.00%
210.31%
351.56%
482.50%
5123.75%
63210.00%
75717.81%
88526.56%
97623.75%
104313.44%
作品の標準偏差 1.66
このレビューの偏差値 50.75
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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