Menu
 > 作品
 > エ行
 > エレファント・マン
 > 飛鳥さんのレビュー
エレファント・マン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 エレファント・マン
製作国英,米
上映時間124分
劇場公開日 1981-05-09
ジャンルドラマ,モノクロ映画,歴史もの,実話もの
レビュー情報
《ネタバレ》 昔、テレビで観たときはおっかなびっくりだった記憶が。
ラストシーンの意味もわかっていなかった。
観直してみると、人間の本質的なものを描いた中身の濃い映画。

見世物小屋での動物並みの扱いと、病院での待遇は天と地の差。
やっと人間らしい生活を与えられたとき、金儲けを企む病院警備員の手引きで見物客が病室に潜入したシーンは胸が痛い。
心優しいメリックを弄ぶ醜悪な人間たちに殺意さえ沸く。
ただこの見物客と、劇場でスタンディングオベーションする客との間にどういう差があったのか。
同じ人間でも、その状況次第でどちらにでも転んだように思える。
エリックをからかって追い回した少年たちも、たいした罪の意識もなくやっていることが残酷で、イジメの構造の一端を見る思い。
病院の会議で、化け物の世話など論外だと追放を強硬に主張していた評議委員が、女王の親書に黙って意見を変えるのが痛快。
嫌悪感を露にしていた師長の変化と、メリックを脱出させた見世物小屋の仲間の温かさも心に染みる。

メリックは初観劇の興奮が覚めやらぬ中、大聖堂の模型を完成させて、安らかな死の床に就いた。
これ以上の幸福は望めないという思いもあっただろう。
その選択の裏に、いかに苛酷な生活を強いられてきたかがうかがえる。
死によって、地獄のような生活に戻ることなく、人としての永遠の尊厳を手に入れることができたのだから、その選択は間違っているとは言えない。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-01 00:15:35)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 201件
作品の平均点 7.41点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
221.00%
341.99%
473.48%
5125.97%
62612.94%
74924.38%
84522.39%
93316.42%
102311.44%
作品の標準偏差 1.73
このレビューの偏差値 51.96
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
エレファント・マンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS