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《ネタバレ》 ベルリンの壁崩壊を体験した東ドイツ市民の目線が興味深い。
母が意識を失っている間の劇的な東西対立の瓦解。 意識を取り戻した母に息子が突き通そうとする嘘は、大本営のプロパガンダのよう。 ただ、違うのは息子の場合、母を案じるという純粋な愛情で動いているということ。 母も最後は真実に気づいていながら、そんな息子に騙されたふりをする。 テレビ画面ではなく息子を見つめる優しい目が印象的。 母は父を裏切って西側に後を追っていかなかったくせに、子供たちに父を祖国を裏切った浮気者に仕立てあげていたのは最低の所業だ。 それでも母を責めずに労わり続ける主人公の優しさと家族愛が胸に迫る。 その一方で、父との関係は消化不良。 父も新しい家族を作って、解放後も息子や娘の消息をたずねようとしなかったし。 メインではないが主人公をサポートしたロシア女性ララが魅力的だった。 重苦しくなりがちな設定やテーマだが、映画オタクの捏造ニュースなどコミカルなシーンを交えて描いているので楽しめた。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-09-27 14:42:35)(良:1票)
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