《ネタバレ》　まず、昭和初期という時代設定から、大正時代はもとより明治時代のハイカラな雰囲気を残す街並みや風景に心躍りました。赤や朱色といった艶やかな色合いを基調とした家や着物もキレイでしたし、観る者を (視覚的に) 飽きさせない映画であったと思えます。　タキが残した自叙伝が時代を越えて心をつなぐ、、とはどこかで観たようなストーリーでしたが、その一筆はその心とともに「戦争」という激動の時代を乗り越えた分、そこは単なる年数にとどまらないような、果てしない時間の経過とか、一際の感慨深さを感じた次第です。　また山田洋次監督らしい笑いの中にも、タキがこの若さにして花輪のような老人に嫁がされそうになったり、当時の女性の身分とか生き苦しさを感じさせる描写が多く散見されました。監督の作品群の系譜から見ても本作は異色作であり、同時にまだまだ創作意欲の尽きない意欲作、と言えそうです。　→2021/9/29追記。　キムリンさまの意見にとても感銘を受けました。　なるほど、確かにそう言われるとそう見えてきます。タキがその想いを心の中に封印したのは、彼女の慎み深さなのか、あるいは「時代」がそうさせたのか、、改めて色々と考えさせられます。

【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 7点（2014-01-27 19:00:54）

作品のレビュー数

54件

作品の平均点

6.22点

作品の点数分布

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1	1	1.85％
2	0	0.00％
3	1	1.85％
4	4	7.41％
5	7	12.96％
6	19	35.19％
7	9	16.67％
8	13	24.07％
9	0	0.00％
10	0	0.00％

作品の標準偏差

1.46

このレビューの偏差値

53.64
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値