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《ネタバレ》 夜の函館を彷徨う三人の若者たち。フレームの中の彼らは何気なく撮られているようでいて、その配置や距離感は緻密に計算されたカメラワークだったように思えます。 三人の関係の曖昧さ、目的のなさ、とか、もう青春と言うほど若くはなく、でもまだ大人にもなりきれない、、そんな三人のどうでもいいようなエピソードばかりだったけど、なぜか不思議と見入ってしまった。 こうやって、毎日のようにつるんでいると、話したことはいちいち覚えてなくて、どうでもいいような光景ばかりが断片的に記憶の片隅に残っていたりする。ピンポンのラリーとか、あのラッパーとか、、きっとそうなんだろう。 冒頭、僕は佐知子の誘いをすっぽかした。「静雄に映画誘われちゃった」に対して、「行ってくれば」と答えた。「私と店長のこと知ってる?」に対して、「知るわけないだろ、そんなどうでもいいこと」と答えた。そう、「僕」はいつも投げやりで、そして佐知子に対して受動的なんだ。だから最後の僕の言葉は、初めて能動的に、そして伝えようとする意志を持って発したからこそ、心に響くのである。佐知子の表情は複雑そうだ。ただ、とうとう自分を見つけたくれた、という安堵感でいっぱいに見えた。 二人のこれからはわからないが、この場所、この時代に、お互いにふれては多くの時間を共有したこと、それが何より大切な気がした。
【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-04-06 12:32:50)
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