| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 この映画が名作になったのは、主人公が二人いたからだと思います。この映画、確かに話はとても面白いんですが、万人受けするためにはアンディがちょっとばかしスーパーマン過ぎるんですよね。大体この手の話で面白い展開というのは「主人公がある特異な状況にポーンと放り込まれ、自分一人の力の限界を痛感させられる。だがまもなく頼もしい仲間との出会いがあり、彼らから何らかの力を授かることによって主人公の状況が好転し、また精神的にも成長していき…」というものが多かったりします。実際この映画も例外ではなく、劣悪な環境下で仲間との出会いがあるというところまでは割りとスタンダードなストーリー展開で進んでいくんですが、ここから先が主人公が影響を受ける側ではなく与える側に回ってしまうんですね。このままでは主人公の心の成長が描きにくい。でもその欠点をもう一人の主人公のレッドがカバーしてくれるんですね。もしレッドがいなかったらこの映画は「どんな状況でも決してめげない強い男が見事脱獄に成功しました。ハイ、めでたし、めでたし」というだけの大味な映画になっていた可能性もあったと思います。でもアンディが脱獄した後でもそこで話を終わりにせずに、さらに続けて「俺は生きる方を選ぶぞ」というレッドの人間的成長を見せてくれたお陰でラストシーンであれだけの感動を生み出すことが出来たんだと思います。そしてもちろん一番の見せ場である脱獄のシーンも爽快感いっぱいです。やはり人間の心理として「ああ、もうダメか、ここまでか~!」という状況から一気にスッポ~ンと抜け出していくワープイベント的なものはとても気持ちの良いもののようです。そういえば、この映画同様に「世界的にはそれほどでもないが日本ではとてつもなく人気がある」というバック・トゥ・ザ・フューチャーのクライマックスシーンも同じ心理効果によるものですよね。ひょっとしてこれは日本人の感性に合ったイベントということなんでしょうか?ま、ともかくこの映画、かなり良く出来てますが、刑務所長をはじめとする何人かの心理描写が若干甘いかなと思えたので8点です。
【バーグマンの瞳】さん [地上波(字幕)] 8点(2013-08-20 21:28:44)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |