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《ネタバレ》 ボニー&クライド物はフリッツ・ラングの「暗黒街の弾痕」の方が粋で好きなのだが、アーサー・ペンのこの作品も大好きだ。
街でバッタリ会ったボニーとクライドが次から次へと銀行を襲っては逃げ、そして滅んでいく様を描く。 実際に起きた連続強盗事件を元に描くが、前科のあるクライドはカタギでやっていくには辛い身の上であり、何よりも銃を片手に強盗に興じる日々に充実感を得ていた。 そんな時に出会ったボニー。 彼女は退屈な毎日から抜けるため、クライドの危険な日々に惹かれてしまう。 ボニーはホームシックになりながらもクライドを愛し、クライドもそんなボニーを元気づけながら硬い絆を結んでいく。 後半から登場する運転手のC・W・モス、クラウドの兄貴バック、兄貴のヒステリーな妻ブランチ。デコボコな3人が加わり益々騒がしくなる面々。 同時に滅びの足音も静かに聞こえて来る。 直接的な性描写をせずに、キスと事後の所作だけを描いた点が良い。 匂わせるだけで二人が互いを受け入れた事がよく解るのが凄い。 ボニー&クライド一味はワイルドバンチ強盗団の如き八面六臂の大暴れ。 何処に行ってもトラブル続きの毎日。 死を覚悟するような日も稀になってくる。 俺たちは何処で何を間違えたのか。 俺たちに明日はあるのか、ないのか。 ボニーの母親たちとの別れ。もう二度と会えないとも知らずに・・・。 ラストは強烈な光景だが、妙な静けさが画面を包んでいく。 因果応報な幕引きではあるが、世の中に縛られずに好き勝手に生き、好き勝手に死んでいった者たちの無言の哀しさが伝わって来る。 罪を犯してきた二人は、真っ赤なリンゴに祈りをささげる。 一つのリンゴを互いにかじり「あの世に行っても結ばれような」という願掛けか。 車に残ったボニー、外に降りてしまったクライド。 史実では二人っきりで車ごと、映画で離れた瞬間に二人の運命は決してしまう。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-27 21:33:20)(良:2票)
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