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未来世紀ブラジル のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 未来世紀ブラジル
製作国米,英
上映時間132分
劇場公開日 1986-10-10
ジャンルドラマ,SF,ラブストーリー,コメディ,アドベンチャー,ファンタジー
レビュー情報
《ネタバレ》 俺は「12モンキーズ」の方が好きだが、この作品は見れば見るほど病み付きになるガムみたいな映画だ。面白いけど(味わい深い)、イマイチ納得がいかない(飲み込めない)。ガムを飲み込む奴は馬鹿だ。
ジョージ・オーウェルの「1984」やフランツ・カフカのパロディのようだが、本人が無自覚か確信犯かはこの際どうでもいい。
特に「モンティ・パイソン」の頃から異彩を放っていたテリー・ギリアムだ。パンチが効きすぎて毒気がハンパないぜ。

政府にマークされたタトルを“偶然”呼んでしまった、夢の中で出会った美女と瓜二つな女性を“偶然”見つけ追いかけてしまった。“追いかけた”時点でサムにとっての“必然”へと変わる。
彼女に無理矢理せまろうとする狂気。
頼んでもいないのに勝手に介入して妄想を膨らませ、自己の正義を押し通そうとするエゴイズムは「タクシー・ドライバー」に通じるものを感じた。
あの話のトラヴィスのように、サムは首を突っ込まずに済んだ話に首を突っ込みまくる。
「タクシー・ドライバー」と違うのは、殺人者が“英雄”とならずに頭の中の“お姫様”を救えずに終わるところだ。
この映画は二つのエンディングが存在するが、それはこの作品を見た人ならすぐに解る事だろう…というワケらしいが、よく解らん。
ただハッキリしているのは、圧倒的な映画世界である。“夢”の中の映像の美しいこと。
「2001年宇宙の旅」も「時計じかけのオレンジ」もその美術で“黙らせ”ようとする感じが気にいらねえ。
中毒性が凄まじいから余計にハラが立つよ。ギリアム、アンタは天才だ。
それと、往年の名作に対するオマージュが面白い。
「戦艦ポチョムキン」のオマージュには吹いた。例のばあさんの場面まで忠実だし。
主人公が夢の中で出会う女性と現実世界でも巡り会う話はノーマン・Z・マクロードの「虹を掴む男」を思いだす。
トム・ストッパードは優しい。世の中、友人とはいえ警告すらせずに殺しにくる奴もいるからな。むしろちょっと優しすぎるくらいだ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-13 19:29:08)
その他情報
作品のレビュー数 201件
作品の平均点 6.84点
作品の点数分布
010.50%
183.98%
241.99%
3136.47%
4104.98%
5146.97%
62512.44%
73215.92%
83718.41%
93014.93%
102713.43%
作品の標準偏差 2.45
このレビューの偏差値 51.92
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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