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明日に向って撃て! のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 明日に向って撃て!
製作国
上映時間110分
劇場公開日 1970-02-07
ジャンルアクション,ドラマ,コメディ,アドベンチャー,ウエスタン,シリーズもの,犯罪もの,青春もの,実話もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 ファーストシーン、ガンファイト、人間ドラマ。全部揃っているのに西部劇らしくない西部劇。だが実に映画らしい映画だ。ジョージ・ロイ・ヒルは「スティング」も面白かったけど、俺はコッチの方が好きだ(女の子もこの映画の方が可愛くて魅力的だ)。

冒頭からエドウィン・S・ポーターの「大列車強盗」を彷彿とさせる列車の襲撃→駆けつけた騎馬隊から逃げ去るスタートダッシュ。
酒場でのポーカーから振り向き様のガンファイア、見ず知らずの美女を強姦するゲス野郎なのかと思いきや、実は馴染みの女性に対するちょっとした挨拶(イタズラ)だったという。「やーね脅かさないでよ」と笑って済ませてくれる仲の良さ。ちょっとした三角関係も“さわり”で終わるぐらい絆が深いともいえる。
仲良く逃避行、断崖ダイブ、強盗、銃を持った者が避けられぬ殺し合いの連鎖。

犯罪に生き急いでしまった者たちの束の間の安らぎ、叶わぬ願い、結局は元の殺し合いの世界に戻ってしまう虚しさ・・・それを独特の静寂が包み込む。その何とも言えない雰囲気を好きになってしまった。

サイレント映画の「アクション」で魅せる事にこだわった造り込みと呼吸、音のない静けさの中からいかに“音が聞こえてくる”ような映像を撮るか。
まるで古いアルバムをめくるような・・・。そういう心意気に溢れた映画だ。アメリカン・ニューシネマ特有のアクの強さは余り無いけども、抜き撃ちや幻想的とも言える映像は見応えがある。

機関砲といった武器ではなく、自転車で時代の波に追われるガンマンたちを表現するのが良い。
殺伐した世界の中で、一瞬の平和なひと時に流れる「雨にぬれても」は印象的。

サム・ペキンパーが“動”のワイルドバンチなら、この映画は“静”のワイルドバンチ。
ラストの「奴らは死んだのか生き残ったのか!?」というテンションが上がったまま終わるクライマックスも最高。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 10点(2014-01-30 11:00:14)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 254件
作品の平均点 7.76点
作品の点数分布
010.39%
110.39%
210.39%
372.76%
431.18%
5166.30%
63312.99%
73614.17%
85019.69%
95622.05%
105019.69%
作品の標準偏差 1.91
このレビューの偏差値 56.16
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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