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《ネタバレ》 北野映画らしいカメラワークや間の取り方、セリフ回しを充分に楽しめる映画 北野映画としては2作目「その男、凶暴につき」で評価されたクリエイティビティをさらに強調した映画になっていて北野表現がもっともわかりやすく、その分鼻につくかもしれない しかし好きな人はこれが一番好きかもしれないな 主人公のセリフはほとんど無く、無表情で棒のようだ 脇を固める人達も身内のたけし軍団で決してうまいとはいえないキャストばかり これはたけしが俳優なんてどうだっていいじゃん的な方向を究極まで突き詰めた結果の様に思えた そう言う意味では自分の才能に自信があってガツンと作った感がある 見ていて安定感がある しかしこのキャストではヒットは見込めない(笑) ヤクザの世界を徹底してカリカチュアしていて怖さを通り越してかなり可笑しい すべてがブラックユーモアで出来ていてほぼファンタジーである 見送りの三振をフルで見せる 何度も繰り返して名前を呼ばせる ビールで殴った後でもう一度ビールで殴る もう止めてやれと言いたくなる程、延々と女を小突く タイトルもジョーク以外の何者でもない この辺のセンスはやはり日本人離れしていると思った その分日本人には受けないだろうなとも思う 前半は非常に面白いが後半はブラックすぎて笑えない 北野映画に共通するがエンディングにカタルシスが無い 毎度のバッドエンドには唖然としてしまう 無関係な恋人の石田ゆり子まで自爆して果てるのはたけしも人が悪すぎる 夢オチ的なラストはまったくピンと来なかった このラストなら何度も何度も繰り返しのギャグが全編に渡っているのでスゴロクの振り出しを思わせる演出、あるいはパラレルワールド的な演出でオチにするべきじゃなかろうか とりあえず北野らしさの見本のような映画である
【にょろぞう】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-07-29 00:09:28)
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