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《ネタバレ》 物語にそつが無くなかなか楽しめる出来だと思います。
コミカルでいてテーマもハッキリし脚本も良くできていて大人から子供まで見やすい仕上がり。 非の打ち所がない・・・のだけど、でもちょっと物足りないのはなぜなんだろうか。 「差別はいけない事だ、してはいけないんだ」それで差別が無くなるのなら とっくの昔に差別など無くなっているはず・・・だからテーマこそ綺麗に見えるけど、 それがどこか絵空事に感じてしまうからかもしれない。 人間を登場させず動物や機械を擬人化して描く方法は子供向けだからと言われれば、 そうなのだろうと思いますが、こういうテーマだと正直ちょっとあざとい気がしなくもない。 堅苦しく考えるつもりはないけど動物に人間の価値観を当てはめモラルや正義を 考えると言うのも少しどうなんだろうかと。(まぁミッキーからして擬人化は ディズニーの基本なので、これに文句があるなら最初から見るなって話なのかもしれませんが) もっとも、この物語のように動物たちが人間のような道徳感のある生き物に 進化や変化したとしても今の時代に差別のようなテーマを扱うのならば話や表現に深みが欲しかった。 体の大きさ、力の強さ、気配りの細やかさ、計算高さ、様々な特徴や個性がある事を 生かす事は差別とは言わないが、生まれながらウサギだから○○はできないだろうと 決めつけだけで排除するのは差別に当たるだろう。 それについてこの映画は間違えた事は言っていないが、そこで終わっている気がする。 現実の人間の世界では、そんなに単純ではない。差別を逆手に取る者もいる。 実力の無さなど正当な理由で排除された場合でも、自分がマイノリティーの立場なら 排除された時点で差別されたと主張し不利益を排除するどころか 不当に利益を得ようとする者も少なからず居るだろう。 差別を無くそうと声高に叫びながら一方で、差別される側は大変だから 優遇されるべきだと言う姿は報われないマジョリティの目には不公平に映る事だろう。 このような存在が差別を無くす事を困難にしている現状から世間は目を背けている気がする。 今から時代において差別について扱うなら、「差別はいけません、無くしましょう」等と言った 過去、散々語り尽くされた事ではなく、そこから一歩も二歩も進んで欲しい。 不当に差別されていると主張する側と、差別を楯にし不当な利益を得るな、と感じる側。 そして扱いにくい問題だからと考えない、関わらない人々がいて、それぞれが 折り合いをつけて新しい道を模索しようとするには、各々が何を考えなければならないのか。 難しい問題ですがそこに焦点を持って行けない間は、差別根絶の糸口すら掴めないと思います。 子供にあわせて作るを意識しなくても子供はいつか大人になるので。 その時に意味が分かればそれでいいのではないだろうか。小難しい話になればつまらなくなるだろうが そこはディズニー。業界の巨人には世界に影響を与えるだけの力がある。もっと挑戦して欲しい。 【デミトリ】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-03-13 23:22:56)
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