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録画されていたので何の気も無しに鑑賞しましたが、、非常に良かった。まず200年も前に全身麻酔という概念があったこと自体に驚きます。この事実に華岡青洲(市川雷蔵)を取り巻く女たちの壮絶な人生が絡む訳ですから面白くないはずがありません。
妻・加恵(若尾文子)の心境は一般的に想像した通りなのですが、面白いのは母・於継(高峰秀子)の立ち位置。昔はみんなこうだったのかもしれませんが、嫁いできた他人様の家で男児の母となり、そしてその家中で最も力がある者に成った母親という人物を高峰秀子が非常に上手く演じています。表向きの和やかな風情と内面とのギャップが素晴らしいですが、これが息子が帰ってきた途端にあからさまになります。しかし終盤にはただの意地悪ばあさんではないことも判ってきてなかなか奥深いです。やはり題名の通り、全体的に女の戦いややり取りが非常に面白いです。 青洲のほうも「医者として何もできず妹を見殺しにするのは私の技能が足らないせいだ」ときっぱり言いきる性根の良さも見せるものの、母と妻が実験台に名乗りを上げると「そうか、やってくれるか!」とアッサリ甘んじる精神的な弱さ(幼さか?)もあって、、こちらもなかなか面白い人物に仕上がっています。 とにかく原作小説がよく出来ているおかげか脚本も全体的に無駄がなく面白い映画に仕上がっています。これは原作小説も読むべきかもしれませんね、いや必読かもしれません。 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 8点(2025-05-25 12:58:57)
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