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メジャーリーグのことを少しでも判っていれば10倍は楽しめますが、あまり詳しくなくてもきちんと楽しめるように作られています。(私はそんなに詳しいほうではない)
データを重視してチーム編成に取り組んだ、アリーグ、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー「ビリー・ビーン」(ブラッド・ピット)の半生を描いた物語ですが、これが非常によくできています。40代以上の人にはセイバーメトリクスというより野村ID野球(ちょっと違うが)といったほうがピンとくるかもしれません。しかし野村ID野球よりももっと根本的なチーム編成自体をデータ任せにしたのがこの理論の凄いところです。今では当たり前ですが、いわゆるビッグデータ的な情報解析・情報分析を元にしてチーム自体を再編成した訳で、やはり2~30年前ではかなり思い切った無謀理論を追求した人物だったといえます。 自身もかなり気性が荒いビリーですが、周りの無理解、マスコミなどの過激な煽りなどプレッシャーやストレス、過去の後悔などを心に抱えている気難しい人物を非常にウマく表現したブラピはかなりのハマり役でした。元来この手の抑えた役柄が好きなブラピですが、本作のビリー役はキャリア中でもベストなものではないかと思われます。 また、脇も超一流で反抗的なハウ監督にフィリップ・シーモア・ホフマン、気が強い元嫁シャロンにロビン・ライト、気弱なハッテンバーグにクリス・プラットらと非常に豪華です。脚本もレナードの朝やシンドラーのリストのザイリアン&手直しにはザ・ホワイトハウス、ソーシャル・ネットワークのソーキンと、地味な映画だったと切り捨てるにはあまりにも勿体無さすぎる布陣です。さらには何気に開幕式でエレキで国歌を演奏するジョー・サトリアーニ、劇中内TVのみ出演のイチローなどなど、とにかく超絶に豪華なので多方面に考察できる人には非常に奥深い作品に仕上がっています。(ただ、他の方もご指摘ですがセイバーメトリクスを追求する映画なのに、、これ以上ないってくらい高額でメジャーな連中が集まっているのもある意味皮肉で笑えたりもします) 娘の歌声に突き動かされる音楽CDの流れも最高に素敵ですが、レッドソックスから暗転で現在の状況を説明するラストも非常にスマートでリアル。MLBのトレード事情やアリーグ・ナリーグのことなどもっと勉強して再度鑑賞したい、静かなる名作だと思います! 【アラジン2014】さん [インターネット(吹替)] 8点(2022-08-04 15:48:06)
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