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劇場版は残念な評価でしたが完全版で180度評価が変わりました。サーフボード、プレイメイト、フランス農園の追加シーンがとても素晴らしい余韻を残してます。これらの長くて完成された”絶対に必要であったであろうシーン”を削除してしまった劇場版は、明らかに編集ミス&イミフな映画の代表になってしまっています。「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」からもその辺の混乱は見て取れますが、おそらく監督自身も映画の完成形がまだまとまっていない中で編集したんだろうと思われます。追加シーン(多少のシーン入れ替え等)のおかげで、ロードムービー・哲学ムービーとしてもかなりの完成度に生まれ変わったと思います。
賛否が分かれるフランス農園のシーンですが、私はこのシーンが大好きです。政治的な立場や国柄による意識の違いなど、割と詳細に会話してくれることで映画がより哲学的で分かり易いものになったと感じました。副次的ですがロクサンヌの美しいシーンも堪能できますし、これからやってくる「この世の地獄」へ向かうにふさわしい追加シーンだったと思います。 また、確かに全く必要がないプレイメイトとの情事のシーンに関しても、あの雨の雰囲気、何もかもが壊れてしまっているようなあの雰囲気は捨てがたいです。サーファーのランスが壊れていくのもこの頃からで、ベトナム戦争の虚しさを感じさせます。エンディングの全カットに関しては「全て殲滅せよ」というメモとの整合性を考えると違和感を感じますが、まあ、評価には影響しない程度です。 名作ですが大人になってから感じるべき映画だと思います。なかなか人にはお勧めしにくい映画ですが、私にとっては年に一度は鑑賞するマイベストムービーです。(劇場版は見ませんが) 【アラジン2014】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-09-04 17:06:26)
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