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《ネタバレ》 ベトナム戦争が次第に暗い影を落とし始めていた1967年の作品。戦争で数々の武勲を手にして帰還したルークだが、何を目指して生きたらよいのかわからない。何が真実で、何に反抗したらよいのかさえもわからない。なにかの公共財?を壊したという軽微な罪で強制労働に従事させられる。出発がその軽さだ。収容所の中でも、意味のない賭けや闘いにひたすら自分を犠牲にしてしまう。ところがそんな主人公ルークに次第に周りの囚人たちは引き寄せられてくる。そういう意味のない犯行・抵抗の連続なのに、なぜか観客も引き込まれてしまう。
それはなぜだろう。戦争だ平和だと世間が次第に騒然となっていく時代にあっても、その銃後を含め、それら全体の虚しさ・ウソっぽさ・劇場性をみな感じてしまうからではないか。正しいもの、雨にうたれながら母への追慕の中でルークもそれを叫んでしまう。どこか囲いこまれた虚しさのようなものが60年代にもすでにあった。それを思い出した。分かりにくい、先駆的な、しかし評価の分かれる映画だったろう。 【柚】さん [地上波(字幕)] 7点(2014-04-26 01:02:42)
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