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蜘蛛女のキス のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 蜘蛛女のキス
製作国ブラジル,米
上映時間120分
劇場公開日 1986-07-26
ジャンルドラマ,刑務所もの,政治もの,同性愛もの,小説の映画化,スパイもの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 これは監獄に収監された政治犯と、彼をスパイさせるために同室に送り込まれたゲイの物語。けれど主役は圧倒的にゲイの男の方。かつて軍事独裁政権だった韓国も民主化され、アウンサンスーチーのビルマ(ミャンマー)もそれが終わろうとしている。この映画の男が闘っているような20世紀の政治はますます地上から消えつつある。そしてその名残を記憶にとどめようとするかのように、この男の「政治」は古典的だ。そういう時代の「政治と人間」というテーマでした。だからもう「人間」の方が深くて輝いて見えるのは隠しようもない。しかもこの男の述べる政治・信念からは、本当の葛藤、リアルな切迫が感じられない。作品として表現されていない。だけどこの映画のいちばんの面白さは、最後に、そんな男の「政治の貧困」を知ったうえで、自分の出獄時、男のために危険な任務を引き受けてやり、それに殉じてやるところにある。そして最後は男の仲間に、組織を守るため殺されてしまう。
政治というものの過酷さは昔も今も変わらない。それを批判しても仕方ない。だが政治を一歩づつ良い方向に進めてきたのは、圧倒的に多数の、名もない「人間」たちなのだということかもしれない。
さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-08-08 09:37:44)
その他情報
作品のレビュー数 36件
作品の平均点 7.19点
作品の点数分布
000.00%
112.78%
212.78%
325.56%
425.56%
512.78%
625.56%
7513.89%
81130.56%
9822.22%
1038.33%
作品の標準偏差 2.27
このレビューの偏差値 51.56
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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