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《ネタバレ》 劇場で鑑賞しなかったことを後悔した映画ベスト10の第一位に入るのがこの映画。誰かが「美人4姉妹を愛でる映画」と書いていたが同感。レンタルでDVD借りたのが初見だったけど7泊8日すり減るほど観てからDVD買って、いつでも観たくなってGoogleでダウンロードしてスマホで観まくった揚げ句Blu-rayで買い直すほどの馬鹿をやったけど、お陰で鎌倉の風景もまた堂々のメインキャストであると気付けたことが新たな収穫。四季を通じて美しい景色が広がり癒されることこの上ない。もし「すずちゃん、新宿に来ない?」とか「田園調布に来ない?」だったら魅力半減どころか映画にすらならなかったに違いない。
先日「万引き家族」観て、いや良い映画には違いなくてさすがはカンヌ、なんだけど考えさせられてしまう終わり方にうーんと重くなり、テレビで「そして、父になる」観てさらに重い気持ちになってしまったものだから、キャスティングのピタリと決まったこの映画が尚更心地よくて出て行きたくない。脇役一人ひとりまで大好きで、サッカークラブのキーパーの女の子も海猫食堂の従業員のおばちゃんも婦長さんさえも、出番が少なくても強く印象に残る。天然の誉れ高い綾瀬はるかはCMやテレビドラマでのコメディエンヌぶりが話題になるが本作ではしっかり者の長女が実に違和感無い。長澤まさみはズボラで惚れっぽくてガサツだけど心の暖かい性格で、初対面のすずに父を看取ってくれた礼を言った時や勤め先の信金の仕事で訪問した融資先の工場で苦労している経営者夫婦に注ぐ慈しむ眼差しが実に良い。夏帆はガメラ映画の頃はフツーの美少女の域を出なかったがここではマイペースだけど争い事を嫌う三女を演じ他には無い存在感を見せてくれる。そして広瀬すずは撮影時の年齢とヒロイン:すずの年頃が絶妙にマッチしていて、徐々に腹違いの姉達と打ち解けていくのが観ていてほほえましい。物語終盤でずうっと心の奥底に抱えてきた想いを叫んで長女に抱擁され「ここに居たい、ずっと」と涙ぐむシーンは桜トンネルを2人乗り自転車で駆け抜ける場面と一、二を争う名場面と信じて疑わない。 感情の発露は年齢によって表出の仕方が変わるので、あの時あのキャストで撮ったからこその奇跡がこの映画になったと思っている。父親の葬儀、祖母の法事、昔馴染みの食堂のおばさんの葬儀と、人の死によって物語が動き出すこの映画は人によっては退屈かもしれない。でもラストシーンで波打ち際をじゃれあいながら遠ざかって行く四姉妹を見送る時に、スクリーンに映らないこれからの暮らし、これからの人生が、彼女達には確かにあるんだと観る度に思う。 【rinzou】さん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2018-07-08 22:22:28)
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