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《ネタバレ》 結果が分かっている歴史物として、これほどスリリングな作品はなかなか無い。もっと早くポツダム宣言を受諾していれば被爆国にならずに済んだのにとか、逆に一部の徹底抗戦派の反乱が成功していたら果たして自分の存在はあったのだろうかなどと、とても身近な出来事ととしてとらえてしまう。御前会議の昭和天皇の心に響く言葉や暗殺・切腹シーンの生々しい映像が印象的だが、誰が見ても詰んでしまっている負け戦を前にして、「日本が消えてしまってもいいのか」と詭弁で上官に迫る反乱兵士に、「おまえらが日本を滅亡させようとしているのがなぜ分からないのか」と思わず叫びたくなる。しかし当時の社会環境と彼らの行動心理をちょっと考えればクーデターも予想できなくはない。早々と自らの覚悟を決めてしまっているかのような陸軍大臣に反乱の鎮圧を望むべくもなく、力を統制できない状態が国家の存亡の危機を招くのがよく分かる。戦後はシビリアン・コントロールといっても完璧なシステムなんかはあり得ない。後々「たら」・「れば」と悔やまないためにも、過去を振り返る映画としては最適ではないか。
【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-08-18 18:13:16)(良:1票)
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