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《ネタバレ》 真っ昼間に無実な男をボコボコにして窓の外に放り投げた人間を逮捕せずに解雇するだけな時点で、この警察署が人気のない夜中に起きた殺人事件を解決することなんて到底出来ないでしょうな。
怒りと優しさみたいなのがこの映画のテーマなのかな。何かしらの理由で常に怒っていたり、すぐに感情的になってしまったりと、そんな人間が劇中に数多く出てくるが、優しい人も何人かいる。その最も象徴的な優しい人が、まさに窓から放り投げられたレッドくんだろう。自分を病院送りにした人間が目の前に―それも二人きりの部屋で相手は身動きの取れない状況で―現れたにも関わらず、復讐をしないどころか、オレンジジュースをストローまでつけて差し出す。包帯をグルグル巻きにされたディクソンも、我々観客全員も、レッドが怒り狂って仇を討つことを予期していたはずなので、このシーンにはあっけに取られる。この映画には怒りに身を任せて暴力を振るう人間が何度も出てくるので、この場面にはなおさら驚いた。この経験でディクソンも少し改心したのだろう。憎しみの連鎖を止めるには、誰かが赦さないといけないんだなー。 予想外すぎるタイミングで自殺を図った署長にしても、「どうせ末期ガンだし、あのババアを悪者扱いするために死んでやろう」みたいな動機なのかなと初めは考えたが、実は自分の家族に苦しい思いをさせたくないために下した決断で、ミルドレッドにもとても正直な手紙を書いている。町中の住民を自分の味方につけて良い思いをしている嫌なヤツだと思っていたが、根はやっぱり優しかった。自分ももっと優しくなろう。 本作はミステリー映画ではなく、犯人探しの面白さを描いたものではないのは分かっているけど、結局あのレイプ魔らしき(というか完全にレイプ魔)男は何だったんだろうというモヤモヤは残る。あんな喧嘩っ早いのが逮捕歴ないわけがないし。何らかの事情で権力からプロテクトされているのか? 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 7点(2018-02-04 19:03:35)(良:1票)
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