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土手を歩いていて、下校途中の同い年くらいの男の子たちとすれ違ったときに「学校は勉強できないヤツが行くところだ」と呟く祥太。
家のすぐ隣で楽しげにボール遊びをする父子の声を聞き、空気を溜めたビニール袋をサッカーボールに見立てて祥太と戯れる空想を始める治。 こういう『一般的』とされる人たちと、本作に描かれる『特殊』な主人公たちを対比する演出がさりげなくて自然で好き。 そのときに『一般的』とされる人たちの顔をあまり映さないのがポイントだと思った。一般的な生活を営む人からすると、この家族はあまりに異質で、交流するきっかけもなく、自分たちからは『見えない存在』となっている。もっといえば、異質すぎる故に交流することを拒み、わざと見ないようにしているのかもしれない。 その一方で、この万引き家族のような『特殊』な側に立つ人たちも、他人から知られてはいけない秘密を抱えている故に、社会から目をつけられないように『見えない存在』として生活することとなる。 見えない現実。見たくない現実。 それを優しいトーンで僕たちに見せてくれる是枝さんの変わらぬ意思に感銘を受けるばかりです。 【Y-300】さん [映画館(邦画)] 9点(2018-08-07 23:55:12)
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